昭和十二年栗盛馨作本黒木知念大工

戦前、八重山の三線工で愛弦家でもあった「栗盛馨」作の知念大工型三線。栗盛氏の名前は池宮喜輝 著「琉球芸能教範」の中でも記載されていることから、三線愛弦家なら一度は目にしたことのあるのではないでしょうか。当時、前持主が栗盛氏に良く響きかつ細身の三線をと誂え、一年がけで完成したのが本作品である。
一見すると与那城型と思われる造りからこれまで与那城型と伝えられてきた。しかし細かく特徴を拝見し、正式には古知念大工型と推測されます。天中央に自然な盛があり自然で美しい表情が見られる。野面は与那城型が取り入れられており、断面は卵のような丸みで作られている。
塗りの目止めにはクチャと豚の血を混ぜて作られていた古い時代のもの。芯に鑢跡有り。野長は一尺五寸三分五厘と短い。またその他の特徴として、芯が右寄りで作られている。これは昔の愛弦家たちが好んでいた技法で「芯が女弦寄りにすることで高音がよく鳴るように」という当時の思想が表れたものである。購入から数年後に一度、塗りはぎはせずそのまま上から薄く塗り直してもらっており、その時の漆塗りの手間代は30銭ー2円だったという。
歴史深い大変貴重な作品です。古い三線をお探しの方、古知念大工型をお探しの方にお勧めいたします。

胴巻屋

選りすぐりのヴィンテージ〜名作三線と、手作りの胴巻を扱っています。著書「古三線に魅せられて」

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