おはようございます
胴巻屋販売担当の山城です。
今回は少し突っ込んだ内容をお話しさせてください。
胴巻屋の関係者の先輩方とも話し合ったことなのですが、私が三線販売や制作見習として勉強したのは今から8年前のことになります。
勉強して半年ほど経った頃気づいて驚いたことがあります。
それは、この市場の多くの三線が、オール県内産ではない、という点でした。
例えばですが、上級向けとされる棹でも、海外製のものもあります。塗りも海外で塗装されるものもあります。胴(チーガ)も今ではほとんどの三線(初心者用〜上級向けまで)には海外製のものであり、カラクイも、ティーガーも、ウマも、なのです。
私自身、勉強のために、いろいろな三線屋を回って、早期退職で得た退職金を使い、いろんな三線を購入しました。その中には言わずと知られた名工の三線も含んでいます。
中にはオーダーした高価なものの中にも、カラクイとチーガ、ティーガーも、知識が出てきた頃に改めて確認すると、海外のものが使用されていました。
また他にも、これもオーダーしたものですが、皮の保証書も付いていて安心して購入したものでしたが、海外チーガに張られた皮の裏面にはセメント(コンクリート接着)が塗られている、というものもあります。
その職人様たちの世間の評価のところでは、全てが職人の手作りであると知られているところです。
もちろん、海外製に頼ることに全て反対しているわけではありません。それを用いることでとても助かる点や、便利なことも多くあるのです。皆さんとても助かっています。私どもの胴巻屋でも、海外製のチーガに頼ることもありますし、棹に相性が良い場合は海外のカラクイを使用することもあります。
しっかり作られていて問題もないのですが、胴巻屋代表の著書「古三線に魅せられて」の中にも書かれていますが、たとえ歪みがあって完全でなくても、作品を通してその職人の全てを感じることができるものが、現在ではもう見ることができないことに、淋しさを感じるのは私だけではないのではないでしょうか。三線という楽器の将来の形が、もっと人間味が出たものであるよう、我々も取り組んでいきたいと思います。
実のところ、今の三線を取り巻く出来上がった形態や社会に、我々は考えさせられ、正直、意気消沈気味です。それを突破するには、アイデアを出し、活動し、作り続けていくことが、その次の扉だと思います。
そして、演奏者様へも、もっと歌三線の面白さを伝えられるようにと、そこから楽器の特性を理解してもらえるように、という胴巻屋の理念を、私も学んでいきます。頑張りましょう!
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