罪人への刑罰もノロが下していた?

琉球國時代の面白い記録を見つけたのでここに記しておく

七年に一回の新神(アラガミ=5年に一度、7年に一度、集落で神女に寄りつく神)は、十四日の御託である。遠海の諸島で、何の相談もなく、同日同時の出現である。託女らは一滴のみずも飲まず、一粒の飯も食べないのだが、顔貌は変わらない。体は特に健やかである。少女は七歳以上、老女は六十歳以下である。水に入っても濡れない。昼も夜も林で遊び風でも雨でも野にいる。日数が満ちて神が離れたもうと女らはすぐに死んでしまう。そこで赤土を水に混ぜて飲ませると暫くして蘇る。一日か二日して自分の家に帰る。また一紀一回の荒神もまた十四日の期間である。琉球国に悪心を抱くために咎められなければならぬ者があると、必ずそのものに刑罰を下される。誹りあざける者はその口を裂き悪心の者は胸を切り、手に馴れる女たちが武器を手にしてその行為は誠に厳かである。なせる悪業を一つ一つ暗記じていて口に出し、それを責めたもうのである。当人は言い争う術もない。それが仮に遠島のものであれば早舟を仕立てて呼び寄せられる。あるいはまた、悪人の者は常に毒蛇(はぶ)に攻撃される。信ずるものは毒蛇を見ることはない。まして傷を受けることはない。託女三十三人は全て王族である。王の妻もその一人である。聞補君(キコエオオギミ)を長とする。全て君と称する。このほか農村や辺地の託女は数も定まっていないし家をも建てない。

胴巻屋

選りすぐりのヴィンテージ〜名作三線と、手作りの胴巻を扱っています。著書「古三線に魅せられて」

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