崖上のマーチュー黒木 ~虎木~ 古知念大工型三線 極上の響き | 胴巻屋 powered by BASE
時代は昭和期の頃。本島北部の崖上にはえた巻木クルチ(マーチュー小)の1メートル長さの丸太がコレクター間で売買された。それは人から人へと渡り、1983年頃に三線業者へ渡り、数年間保管した後、最高の腕を持つ職人へと制作を依頼した。完成された三線は最高品質の古型の知念大工となり、またその美しい虎木模様を持ったが故に後に高額で取引されるのだが、胴は取り付けられないまま保管されていた。その棹は沖縄市にあった骨董店に渡り、感動した店主は知り合いの平識三線店という店に持ち込み桃原チーガの本皮張りを注文し組み上げてもらった。二週間後、三線を取りに行った骨董屋店主に、平識氏は「あんしゆー鳴いる美らかーぎ三線、まーからとぅめーちゃが?(こんなに良く鳴る三線、いったいどこから手に入れた?)と聞いたという。続いて、これを引き取らせてくれと願い頼まれたが丁重に断り店を後にした。骨董屋は4、5年は売るのを渋ったが、三線好きのお得意さんの説得に根負けし、とうとう手放すことに決めたのだった。野長一尺五寸七分五厘。野面は細く、うんと絞り込まれた造り。天側面の曲がりは稍強く男弦からタマイを見せている。特に注目いただきたいのは鳩胸と爪の形状である。これほどまでに作り込まれた線を、いったい何処で見つけることができましょうか。どれほどの天才がこの作品を生み出したのかは、今は骨董店店主と連絡がつかないため確認は取れないのだが、もはやそれは重要ではない。チーガも当時の状態そのままである。分当ても下手に動かす必要など感じない。このままで良い。この作品が無事にここに存在していること、年月の経過を経ても、今も最高の響きを持って我々を喜ばせてくれること、それだけで十分に良い。沖縄から送料込みでお届けいたします。ハードケース付属。お取引の最後までどうぞ宜しくお願い申し上げます。
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