寸法やその形状から見ても戦前作とされるこの古い與那城型三線は、現在も尚演奏することができ、永い間愛弦家たちの心を酔いしれさせてきた。前所有者は昭和中期に友人を通して「御殿下がりの名品とつたわる物ですから長く大切に保持してください」とこの三線を譲り受けた。皮や塗りやパーツを含め、引き受けた当初のそのままの形で保管してきた。楔打ちされた本皮張りは半世紀以上も破れることもなく、七分張りの響きの良い音色が保たれている。ティーガーも古いもので大正期の造りと推測される中々レアな一点物。棹はいわゆる戦前寸法であり野長が短く、長さ一尺五寸四分。材は貴重な本島黒木のウジラミ。永い永い歳月を重ねてきたのだろう。芯上部には小さな穴が空いているが、これは虫食いの跡であり、それを修正するための補修が芯中央部に見られる。前所有者が受取時からこの状態であったことから、戦前〜戦後の間に手が加えられたものと思われる。一見すると真壁型のように見える方が多いと思うが歴とした昔與那城の形状であり、チラの他に、縦に力強く立ち上がる鳩胸の作りから見ても真壁型ではない。近年の三線には見られない非常に独特な世界観を見せつける三線である。塗りはウルミ。これだけの古三線というにも関わらず大きな捻りもなく正常な範囲を保ち続けてこられた。深く柔らかい音色と響きはどんなに最新の技術を重ねても得られるものではなく、正に天から下まで全てがこのコンディションだからこそ聴くことができる古の音色である。この度、前持主様のご意向で出展する運びとなりましたため、今後永く愛用していただける方にお譲りしたく思っております。ヴィンテージ三線や歴史物に関心のある皆様に参加していただけたらと思います。沖縄から送料元払い発送で専用木箱に入れてお届けいたします。お取引の最後までどうぞ宜しくお願い申し上げます。
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