販売とは?を考える

いつもお世話になっております。
胴巻屋でございます。
今回は 三線を販売するとは何か ということを今一度考えていきたいと思いました。
何故か。それは、最も納得のいくもので、かつ、自信を持ってご紹介〜ご提示できるものを選別して発信し続けていく という精神がなければ、活動を続ける意図がなくなってしまいます。
正直、求めやすい価格の黒木材三線の本張り、ある程度しっかりしていて、鳴る三線というのを誂えることは、少し工夫を凝らせば可能な時代でございます。海外生産の黒木三線や塗装というのも、随分と前から実際にあります。そのことは、ここでいちいち説明する必要はないでしょう。こちらで扱う予定はありませんが、それはそれで需要があることは良いことと思います。

物を扱う中で大切なのは、多くの継承され続ける歴史的な武道の精神と同じく、三線への愛着と礼ではないかと思います。また、演奏家様はその精神鍛錬を三線や琴、笛、胡弓、琉舞を通し学びます。過去私は三絃の鍛錬と琴の稽古を断念し控えました。何故ならこの目この感覚を信じて、後世に残していただきたく思う良作をご紹介することが、私のお役目だと信じたからに他ありません。しかし、道は遠く難しいく厳しいものです。色々と厳しく選別しなければなりません。理解していかなければならないからです。学びの連続でございます。
'何故あれだけの名作をオークションで販売するのか'という疑問を基に、何年も前から厳しい意見を広められたことなど何度もあります。三線の価値を下げてくれるなという、それもまた大事な意見の一つとして受け止めております。お名前まで申し上げることは控えますが、ある各位の業者様から陰で広めている話なども、既にも耳に届いております。お願いですから陰ではなく、言いたいことは面と向かってお伝えいただきたいと思うばかりです。真っ向から向き合ってみようではありませんか。

しかし、ここではっきりお伝えしたいのは、私は兎に角、ヴィンテージ三線や当時の島唄を愛しているということです。それ以外に理由はありません。そして、私なりにあらゆる面で感動を受けた作品を、多くの人に知ってもらいたい、そして、これまで手の届かなかった方々にも、手に触れる機会と、その価値を知っていただける情報を発信したいと考えているからてます。長い間この考えに変わりはありません。
皆さんは子供の頃、おもちゃ屋に並ぶロボットやキャラクターの玩具をショーウィンドウ越しに、何十分と見続けたことはありませんでしたか?何十分と言わずとも、一度で良いから触れてみたいな、そして叶うことなら所持して遊んで飾ってみたりしたいなと思ったことがある方は、きっと少なくないと思います。私もそうでしたが。
正に私はこれを目指しているのです。これまで手に届かなかった、触れることさえ不可能であろうとされる希少な作品を、稀な価格で、それを精一杯働いてためたお金で買ってみるときの喜びを、私は知っています。他では高額で届かないものを、従来とは違い、できる限りプライスを押さえて提供できる場所。ここがこの胴巻屋の理念の一つです。勿論それは所持主の皆様がいるからです。その多くは歌三線や芸能を長年修練してきた方々ばかりです。

できる限り高額で提供することが、全体の秩序を乱さずに、品を守ることに繋がると、どうして言えるのでしょうか。高額で売っている商人がいればそれに揶揄し、また、お安く提供する商人がいればまたそれを揶揄する。一体何を言いたいのでしょうか。
それは各店舗で独自に決めていただくこと。所持したくてもご都合で諦めざるを得ない方がいることが大勢います。諦めることなく、楽器は楽しむ物。皆さんでかき鳴らしましょう。
周りを見て判断することも然り。しかし、そればかりでは完全に迷子になってしまうもの。実際に目を凝らして周りを見れば、そうでありませんか。
変化するときです。長く忘れられた三線の価値観を、今こそ再評価していこうではありませんか。

胴巻屋

選りすぐりのヴィンテージ〜名作三線と、手作りの胴巻を扱っています。著書「古三線に魅せられて」

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