連載 続古三線に魅せられて〜平安座ハッタラー三線追加記事

うるま市にある平安座ハッタラーを訪ねた様子は本にも書いた通りである。まだ読んでいない人は是非図書館などでのぞいて欲しいと思います。
平安座ハッタラー三線は、お亡くなりになられましたが野村流音楽協会師範で沖縄市饒波工務店社長の饒波先生とハッタラー所有者宅へ同行し見物したものであった。
ハッタラーは一般の方が見ると、いわゆるヤナー(不恰好)という印象を持たれるようですが、私は大変興味深く、その古のロマンに、燃えた。
これまで見た中で一番古い真壁型ではなかったかと思うほど、細身の棹、芯のヤスリ跡は荒々しいまでの深さがあった。元の持主様は既に亡くなられていたが、その仏壇に飾ると時々テーンと音がなると話していた。芯は上がっているが、元々上がりめで作られたものではなく、長い年月(数百年)糸蔵と弦に引っ張られた強さの影響で、文字通り芯が「上がって」いるのだった。
饒波先生が御礼にと かぎやで風節を一節歌った光景が今も目に浮かぶ。
この三線にも再び出会える機会はないものと思うが、亡き饒波先生のことも重なり、私の脳裏には深々と感謝の念が湧くのでございます。

ハッタラーがあるうるま市の交差点の近くも、今では建物も変わってきており、戦後長く続いたトタン屋根の食堂で、ベニヤ板に筆文字で直接手書きされた「サンドイッチシャープ」という古い店もさらちになって跡形も無くなっており、なんだか寂しくなるものである。

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