★カチューユーの面白い語源
沖縄の人ならご存知のカチューユーにまつわる面白い話を紹介させていただきます。
カチューユー(鰹湯)とは?
鰹節を使った沖縄県地方の汁物料理である。どんぶりなどにたっぷりの削り節を入れてお湯をかけるというきわめてシンプルな料理である。
風邪や二日酔いのときに飲む人が多く、沖縄以外の地方でも民間療法としてしばしば用いられる。(wiki)
私も子供の頃によく風邪ひきだったため、お袋や義姉がカチューユを削って作ったものを飲んだ温かい思ひ出がございます。
食欲もなく衰弱している時などは、なぜかこのシンプルな汁物は身体に英気を与えたものです。
実はこのカチューユーが中国伝統の八大料理を連想させるユニークなお話がございます。
嘉慶5年(1800年)尚温王時代の冊封使として琉球を訪れた李鼎元の「使琉球記」の中で次のような内容が書かれています。
「連日、魚介類を食べ、次第に下痢気味になってきたので、料理人はカチューユを膳に上した。
「これは魚の名ではございません。鰹の背肉を削って乾燥させて作ったものです」と料理人。
土地の人は久高島産が良いと言っている。ぬるま湯につけて洗い、芭蕉の葉で包んで蒸し焼きにし、カンナにかけたように薄く削り、蘭の花の形にする。
醤油をかけるとよく、独特の味がする。
どうして佳蘇(かち)というのか?と尋ねてもわからず、ちょうど来た長史もわからないという。
詳しく対照考察したところ次のようなことらしい。
「この品はわが国では沢山あって美味しいものです。王官から貧民に至るまで、ひとしなみに食べることができます。
「家常」の「蘇菜」として人々が食べられる といったくらいの意味かと存ぜられます」
とあります。つまり、カチューユーは漢字に当てると「佳蘇魚」。佳(か)蘇(ち)魚(イユ)。
佳は「家」、蘇は「蘇菜」であると言っています。
つまり「蘇菜」とは中国の郷土料理の一つである江蘇料理のことを略して「蘇菜」と言うのですが、
それを琉球人は「王でも貧しい者でも皆が食べられる家庭料理」と言う意味を込めて、家(か)蘇(ち)魚(ゆ)と当てたと言うわけでございます。
その説明を知った李鼎元は初めて琉球語の表現の特徴を理解したことが伺える言葉を残しています。
「琉球の人の字は全て対音であって、たやすく佳蘇を「家蘇」に帰るのである」
鰹節の汁物と、中国の江蘇料理。全く違う内容ですが、南国気質独特の解釈を経て「カチューユー」は誕生したと言うことです。
このやうな内容を知ってカチューユを頂くと、もっと栄養感が増すような気がしますね!
ご高覧ありがとうございます。
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