宇宙人に魅せられた骨董屋の話

現在はどこで暮らしているのかは分からないが
15年前に沖縄市で骨董店を営む店主がいたが
彼が話してくれたユニークな話だ
彼は宇宙人を信じており 都市伝説に目がなかった
それもそのはずだ
彼は小さい頃
実際に未確認飛行物体を目撃したからだった
1960年代の終わり頃だったという
当時 三線屋をしていた父親に連れられて
夜 金武町の市街地を車で走っていた
周りがウージ畑の場所で街灯もない場所だった
突然周りが明るくなったかと思うと
真上に大きな円盤が音もなく飛んでおり
それはウージ畑を明るく照らすように
ゆっくりと畑を巡回するようだったという
父親は目を丸くして テレビでやってるあれだ
と叫んだ
UFOは本当にいるんだと確信した
その翌日 新聞を目にした少年は驚いた
当時の地元新聞にはこう見出しが出ていた
「金武町の民家の屋根から屋根へと
小さな人型の何かが大ジャンプして渡るのが
数名に目撃、警察署に報告があった。宇宙人か?」
というものであった
やはり昨夜のあの円盤は夢でなく
その宇宙人が地上に降りて住宅の屋根を散歩していたのだ
と結論づけたのだった
その出来事以来 少年は思ったのだった
沖縄の三線は実は宇宙から来たものではないか
という推理であった
流石に親父は お前は馬鹿かと叱ったが
彼は大きくなると親父の三線店は継がずに
不思議系の骨董店を営むのであった
昔の焼き物 刀 琉球期の着物 勾玉など
さまざまであった
時に三線も持ち込まれ その多くが珍しい材や
古い由来のある名器級であった
彼は私に言った「三線の形状をよくご覧なさい
宇宙人の頭に似ているだろ?」
私はいつも返答に困るのだが 彼は憎めない人だった
周囲と連絡が途絶えて15年ほど経つ
彼はどこで何をしてるのか不明だが
彼が扱った三線は最高のものばかりだった
そして今 
彼が扱った三線が
縁あってこちらにやってきた
実に楽しみである


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